朝日山部屋
大阪相撲を起源に持つ名門朝日山部屋は、後継者不在によって18代(元大関・大受)が停年退職を迎えた平成27年初場所後閉鎖。所属力士や裏方は伊勢ヶ濱部屋と浅香山部屋に分かれて移籍する形となった。
その後、朝日山株は元関脇琴錦の11代中村が取得(19代朝日山を襲名)。それから半年後の28年6月、19代は尾車部屋から独立して朝日山部屋を興した。
翌年1月には二所ノ関一門から伊勢ヶ濱部屋一門への移籍も了承され、(系統こそ異なるものの)慣れ親しまれてきた「伊勢ヶ濱一門の朝日山部屋」が復活。現在は、部屋付き時代から指導力に定評のあった朝日山が未経験者も多数を占める新弟子たちを一から鍛え上げ、未来の関取誕生に精を出している。

デビュー早々に幕下昇進を果たしたモンゴル出身朝日龍は、体調不良なども影響して引退のやむなきに至ったが、まだまだ新興の部類であり、もう一度三段目力士を育てることから再スタートしたい。
喪失感を埋めるべく…というわけではないけれど、31年春場所では3人の新弟子が初土俵の舞台に上がるようだ。



注目力士
若勢道(H10 千葉 168 98)
当代朝日山の長男で、父が部屋を創設した翌年の29年3月初土俵。
もっとも、高校時代まで相撲経験はなく(ラグビー部に所属)、エリートという言葉とは無縁。デビュー時170センチ足らずの身長と80キロに満たぬ体重では苦戦も必至であったが、「体をつくって稽古をして、一段ずつ上っていくこと」という師匠のアドバイスを胸に2年間を過ごしてきた結果、体重は20キロ近く増え、番付的にも「もう(怪我以外で)序ノ口に落ちることはないだろう」と感じさせるだけの地力をつけてきた。
序二段中位での安定が次なる目標となりそうだが、時折、速い立合いから中に入ってもろハズや二本差しの体勢で一気に出るという、父を思わせるような勝ちパターンも見られるようになっているだけに、思ったよりも早く次のステップに行ける可能性も?